Monkey section

必死に頑張ってる人間に贈ることば

ホールド

ボルダリングに通ってた時期があって、元クライミングインストラクターで変態プログラマーの友人に都内のクライミングジムで鍛えられていました。
僕は走ったり泳いだりしていたせいもあって、どちらかというと痩せているので、初心者では厳しいコースでもフォームはでたらめだけど案外無理せず登れていました。

それが変態プログラマーには面白くないらしく、必ずゴールできないようなコースを登らせて、案の定失敗すると「惜しいなあ」とあきらかに喜んでいるようにしか見えないように残念がってました。
そんな彼ですがインストラクターとしては優秀で、彼の指示通りに手の向きや足の運び方をすると何度も失敗した斜面でも楽に登ることができました。
とってもフレンドリーな性格なので見ず知らずの人にも気軽にアドバイスをしていましたが、できない人ができるようになる光景をよく目にしました。

その変態プログラマーに一度だけですが、自然壁に連れて行ってもらいました。
場所は長野県にある「廻り目平キャンプ場」です。クライマーには聖地らしいのですが、一般の
キャンプ場にしても、かなり気持ちのよいところです。高い崖に囲まれた広大な平地で、空も広く、異国にいるような雰囲気で無国籍の気持ちよいロケーションです。

そこで初めて本物の岩を登ったわけですが、いつもながら初めてのことはキツイです。なんでこんな窮屈なシューズ履いて、なんでこんなプルプルプルプルプルプルして岩にしがみついてるんだろ・・・的なストレスとの戦いです(全然おもしろくなさそうです)。

登る岩にも名前やルート、レベルがあって、変態プログラマーが「小川さんならここいけるよ」って全然「いける!」って感情のない無責任な感じで岩を選んでくれます。
僕も「いけんじゃね?」的なノリで挑戦するわけです。

ただですね、最初はすんなり登れる岩でも途中から、

え

ってことになるともう大興奮!じゃなくて大緊張です。結構な高さまで登って「ちょっと無理かな・・・」と思っても引き返せないんです(全然おもしろくなさそうです)。
じゃあどーすんの?って、簡単です、

落ちるんです。

まあ、自分からギブアップして意図的に落ちる分には痛いけど安全に足から落下できますが、「あっ」とか「ツルっ」ってのが怖い。ってーか、むちゃくちゃ痛い。
一応クライマーの皆さんが持ち寄ったボルダリングマットを敷いているのですが、背中からまともに落ちると「うぅぅぅぅぅぅぅ~」ってなります(全然おもしろくなさそうです)。

もちろんというか、ぜったいぜったい落ちたくないので、プルプルプルプルしながら頑張っていると、見ず知らずのクライマーの方々から

「ガンバ、ガンバ!」

って励ましの声援が飛んできます。一応初心者だし自称礼儀正しいので、プルプルしながらも「ありがとうございます」と応えるのですが、頭の中は「絶対登ったる!痛いのはだけはご勘弁!」でいっぱいです(ほんと何が楽しいんでしょうね)。
それでジリジリですが登り進んでいくと下界から素敵なクライマーの方々がさらに声援が飛んできます。

「ガンバ、ガンバ!」「ガンバ、ガンバ!」「ガンバ、ガンバ!」「ガンバ、ガンバ!」

ガンバじゃねえ

です。こっちは必死、そして必死の形相です。なのでそのときはキレキレです。そして全身パンパンになりながらゴールまでもう少しってところにくると、さらに

「ガンバ、ガンバ!」「ガンバ、ガンバ!」「ガンバ、ガンバ!」「ガンバ、ガンバ!」「ガンバ、ガンバ!」「ガンバ、ガンバ!」「ガンバ、ガンバ!」「ガンバ、ガンバ!」

ガンバじゃねえ

クライミングってすごく楽しそうですね。
ただですね、苦しい思いをしたからというか、必死だったからでしょう、登りきったときの達成感と満足感と喜びはかなりです。ちょこっと命懸けでしたからね。
中級レベルの岩でしたが、いっぱい練習してもうちょっと高い岩壁とか登れたら楽しいと思います。
ボルダリングも機会があればまた再開したいのですが、もうちょっとマラソン頑張ってからですかね。

以前70秒くらいで別れた彼女に「仕事がんばってね」って軽い挨拶くらいな感じで言ったら、
「これ以上何を頑張らせるのよー!ムキー!」っていきなり激しくキレられたことがあるんですが、そのとき彼女のヒステリーを真顔で聞きながら思い出したときのお話でした。

頑張ってる人にはなんて応援すればいいんでしょうかね。

ガンバガンバ。

ではでは。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

お問い合わせ