Monkey section

人生を変えてくれた一冊

彼らの流儀
誰かの助言であったり、音楽であったり、風景であったり、人生に影響を与えるものは人それぞれです。
他人に漏れず僕にもいろいろとあるわけで、カテゴリーで分けたときに“本”なら間違いなく、沢木耕太郎さんの「彼らの流儀」です。

沢木耕太郎さんはものすごく尊敬する作家の一人です。“人の砂漠”というタイトルの作品があるのですが、氏がそのときの僕と同じくらいの年齢のときに書いた本で、あまりの文章力にものすごく感動しながらも、ちょこっと「すげーなちくしょー」でした。

話が逸れた・・・
この本との出逢いですが、昔々ちょっと生活していたサンディエゴで何気なく入ったスーパーマーケットの小説コーナーに、なかなか普段は見ない沢木耕太郎さんの本があったので、嬉しくて価格も内容も確認せずに購入してしまいました。(プチ衝動買い)

あとがきにも書かれているのですが、コラムでもエッセイでもなく、ノンフィクションの作品とも異なり、不思議な短編集になっています。
この中の「あめあめふれふれ」というタイトルのお話が僕の人生に大きな大きな広がりを作ってくれました。

すっごく簡単に説明すると、一人の男性が傘屋として成功するまでに(僕は勝手に成功にしてます)、そこに必ず傘がつきまとうというだけのお話です。その男性が冒頭に、「人が傘を差しているのを見るのが好きなんです」と言います。そして自分のこれまでの傘にまつわるエピソードを話して、最後に一言、
幸せのひとこと
「ああ、これだなあ・・・」となんの根拠もないですが、僕の目指す着地点はこれなのかなあ、と漠然とですが感じました。
もちろんこのお話以外もとってもおもしろい(ゲラゲラ笑うようなことはないけど)ので、興味がある方は是非読んでみてください。

はやく傘屋になりたいです。

ではでは

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